災害はいつ起こるかわからない。パニック状態に陥った中であなたはどれだけのことが出来るだろうか。防災対策は先手必勝。生き延びるためには自分自身で必要なものを準備しておかなくてはならないのだ。
昨夏発生した北海道南西沖地震は、突然やってくる地震の怖さをまざまざと私たちに実感させた。
世界で最も地震の多い国のひとつである日本では、誰でも今日、明日にも奥尻島で被害に遭った人達と同じ目に遭う危険性を持っている。いつ起こるともわからない地震から私たちは身を守らなくてはならないのだ。
例えば首都・東京を大地震が襲ったらどうなるのか。その被害は考えるだけで計り知れない。しかもこれは仮想に過ぎる話ではない。1923年に東京を直撃した関東大震災の震源地、相模トラフ(海溝)に次の地震へのエネルギーが蓄積されつつある今の東京は、いつ直下型地震が起きてもおかしくない状態なのだ。東京の防災対策は果たして万全なのだろうか。東京都庁にある防災計画課を訪ねて、その対策について話を聞いた。「都の防災活動には2つの大きな柱があります。ひとつは予防、もうひとつは応急です」と災害対策部防災計画課の山藤敏明さん。
“予防”防災としては、災害に強い街、人づくりを推進しているという。特に関東大震災で9万7000人もの焼死者を出した経験から、東京都では地震で発生する可能性の高い火事に強い街づくりを心掛けている。具体的には、燃えやすい建造物の建て直しなどを行うほか、危険区域の中に、燃えにくい区域(公園など)をオアシスのように配置するということを行っている。
また、都市生活の便利さは災害時に大きなリスクを負う。災害に強い人をつくるには、このリスクを知ることが大切、ということで、都では様々な対策を行っている。例えば防災市民大学という防災の勉強会があるが、これは各地域の防災部の人や防災に関心のある人を募集して、地震のしくみや防災の知識を学ぶものだ。ほかにも親子を対象にした防災フェアなど、楽しみながら防災の知識を深めてもらおうと努めている。
災害が起こってしまってからの“応急”対策については、正確で迅速な行動が要求される。都の応急対策の要となるのが、都庁8、9階部分にある防災センター。