役立つ:サバイバルフーズ 25年の備蓄に耐える
毎日新聞 2007年4月18日の東京朝刊
数ある非常食の中でも、「サバイバルフーズ」は保存期間25年と断トツの長さを誇る。米・オレゴンフリーズドライ社が米政府と共同開発した特殊技術を使い、食料に含まれる水分の98%を取り除いたうえ、酸素を抜いて窒素を注入した缶詰にしているためだ。
役立つ:サバイバルフーズ 25年の備蓄に耐える サバイバルフーズとマウンテンハウス メニューはチキンシチュー、クラッカー、鳥雑炊、エビ雑炊の4種類。1缶に2・5食分か10食分入っており、クラッカー以外は火を使って煮るか、お湯で蒸らして食べるが、そのまま食べることができるのも特徴だ。
米国では44年前から販売され、米陸軍の戦闘食や米航空宇宙局(NASA)の宇宙食として採用されてきた。日本ではセイエンタプライズ社(東京都千代田区)が78年から輸入販売し、官公庁や企業向けの備蓄用食料に使われている。
同社は以前、顧客から「25年保存できる根拠」を問われ、21年経過した商品を専門機関で調べたが、腐敗や酸化は確認できなかったという。79年に購入したフーズを01年に食べたことがある評論家、犬養智子さんは「23年目でも全く問題なく、おいしかった」と話す。
1食当たり約640円とやや高価だが、平井雅也社長は「賞味期限が長いため、毎年少しずつ購入していけば、備蓄を増やせます」と話す。問い合わせは同社(0120・138186)。【中村牧生】