新型インフルエンザ ニュース速報
WHO新型豚インフルエンザH1N1現状評価 [ 2009年05月14日 ]
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2009年5月11日 WHOより
H1N1ウイルスに関する見解は、ほんの数カ国からのみ得られた限られた情報に基づく暫定的なものである。現在のアウトブレイクを起こしているH1N1ウイルス株は、これまで人にも動物にもみられなかった新しいウイルスである。確定的な結論はまだ出せないものの、このウイルスへの免疫が人々に前もって存在する可能性は低いか全くない、あるいは高齢者に限定されているだろうと科学者たちは見込んでいる。H1N1の感染性は季節性インフルエンザよりも高いようだ。季節性インフルエンザの二次感染率は5%~15%である。今回のH1N1の二次感染率は、22%~33%と現時点では推定されている。まだ全容が解明されていないメキシコでのアウトブレイクを除けば、H1N1ウイルスは健常者には軽度の発症ですむ傾向にある。メキシコ以外では、ほとんど全ての症例と死亡例において慢性疾患が背景にあることが分かっている。メキシコと米国での二大アウトブレイクにおいては、季節性インフルエンザの流行に比べて、若い世代がより感染しやすい傾向にある。幼児から高齢者までのあらゆる世代で感染は認められているが、重症および死亡患者が若年層に多いことが、今回の初期のアウトブレイクの特徴である。感染性については、H1N1ウイルスが慢性疾患を持つ患者に、より重症および致命的な感染を引き起こす傾向が高いようである。